2021年(令和3年)7月27日
大湯環状列石を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に登録されました

大湯環状列石は、鹿角市十和田大湯字野中堂字万座に所在する2つの環状列石(野中堂環状列石、万座環状列石)を主体とする縄文時代後期(約4,000年前)の大規模な遺跡です。

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野中堂環状列石、万座環状列石は石を様々な形に組み合わせた配石遺構が二重の環状を形成しているのが特徴です。
 「日時計状組石」は、各々の環状列石の中心から見て北西側にあり、外帯と内帯の間に位置しています。

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野中堂環状列石の規模は最大径44メートル、万座環状列石は最大径52メートルとなります。

 2つの環状列石に使われている川原石の6割は「石英閃緑ヒン岩(せきえいせんりょくひんがん)」とよばれるもので、環状列石から約2~4km離れた大湯川から運ばれてきたものであることがわかっています。
 これまでの発掘調査により、環状列石を構成する配石遺構は「配石墓」であり、その集合体である環状列石は「集団墓」である可能性が高いと考えられています。

環状列石隣接地の発掘調査も行われ、各々の環状列石を取り囲むように掘立柱建物、土坑、貯蔵穴、遺物集中域(遺物が集中的に発見された場所)が同心円状に広がっていることがわかりました。
 また、環状列石周辺や台地縁の発掘調査も進んでおり、万座環状列石の北東・北西側台地縁からは竪穴住居、北東50メートル地点からは環状配置の掘立柱建物群、野中堂環状列石南側30メートル地点からは配石遺構群が発見されています。

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発掘調査では、たくさんの遺構とともに多量の縄文土器、石器、土製品、石製品が出土しています。
 土器は、後期前葉から中葉に作られたもので、一般的には「十腰内式土器」と呼ばれますが、花弁状の文様や、S字を横に連続して施文したものなどは「大湯式土器」とも呼ばれています。
 縄文時代後期になると、用途に合わせたさまざまな形の土器が作られるようになります。
 大湯環状列石で多く出土した「片口土器」もそのひとつで、この遺跡を代表するものです。
 また、環状列石が作られたこの時期は、土偶、キノコ形土製品、動物形土製品、足形付土版などの土製品や、石棒、石刀などの石製品といった祭祀に関係するとみられる道具がたくさん作られます。
 土偶や足形付土版は子孫繁栄や子どもの成長を祈り、キノコ形土製品、動物形土製品は豊作を祈り、感謝するマツリに使用されたものと考えられます。

 大湯環状列石は、野中堂環状列石、万座環状列石の2つの環状列石によって構成される「集団墓」であるとともに、隣接する掘立柱建物や周囲から出土した祭祀の遺物などから、葬送儀礼や自然に対する畏敬の念を表す儀式を行った「祭祀施設」であったと考えられています。

世界文化遺産登録パブリックヴューイングの様子

登録当日外観
発表を待つ
市内にのぼりが
ポスター

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